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未成年者がいる場合の相続放棄

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被相続人が死亡した際に、プラスの財産もマイナスの財産(借金などの債務)も含め、すべて相続することとなるのは、たとえ相続人が未成年者(20歳未満)であっても同様です。
通常の相続手続でみられるのは、高齢の親や配偶者、兄弟が亡くなり、相続人自身も成人している場合ですが、不幸にも若くしてお亡くなりになり、相続が発生するということもあり得ます。その場合、相続人の中には未成年者がいる場合もありますが、未成年者は原則として法律行為を行う能力がないものと扱われるため、その対応には法定代理人である親などの方が代理する必要があります。

もっとも、ご両親ともにお亡くなりになったような場合には、未成年者に法定代理人が存在しないといったケースも考えられます。そのような場合には、未成年者後見人の選任を裁判所に申し立て、その選任の決定を得てから対応する必要が生じるため、成年者が相続人となった場合に比して、配慮が必要といえるでしょう。

未成年の相続放棄可能期間の起算点はいつから?

未成年者が相続人となった場合、原則としてその親が法定代理人となりますが、相続放棄等が可能な3ヶ月という期間は、その親が未成年者のために相続の開始があったことを知ったときを起算点とします。
未成年者は自ら相続放棄等の手続をとることはできないので、未成年者ではなく、あくまでもその法定代理人である親自身の相続ではなく、未成年者のために相続の開始があったことを、親自身が知ったときから起算されるという点で異なるため、注意が必要です。

未成年者の子どものみが相続放棄をする場合には特別代理人の選任が必要

法定代理人である親と未成年者が共同相続人である場合、未成年者の相続放棄等の手続は、親が代理して行うことになります。
もっとも、親は相続の単純承認をするものの、未成年者の子だけが相続放棄をするというような場合には、親が代理することはできません。未成年者の子が相続放棄をすることで親の相続分が増加するという関係にあるという点で、親は相続放棄等の手続の代理において、利益が相反する立場にあるからです。

その場合、子である未成年者の利益を守るため、親に代わり、未成年者の子どものために代理行為を行う特別代理人の選任を裁判所に申し立て、決定を得る必要があります。
さらに、未成年者が複数いる場合で、親が未成年者の一部だけを相続放棄させようとする場合にも同様に利益相反の可能性が生じるため、当該未成年者のために、特別代理人の選任決定を得る必要があります。

特別代理人の存在意義

先に述べたとおり、特別代理人の選任が必要とするのは、未成年者と親権者の利益が相反するため、未成年者の保護の必要があるからです。
言い換えれば、利益が相反する余地がない場合、すなわち法定代理人である親及び未成年者の子ともども全員で相続放棄手続を行う場合などでは、原則に従い、親が未成年者を代理するため、特別代理人の選任は不要です。